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苔の森と北八ヶ岳の展望台「ニュウ」

yatsugatake
南アルプスに位置する「八ヶ岳」は観光地としても有名だ。何百種類もの苔の宝庫として、きらびやかな印象のアルプスとはまた違った不思議な魅力がある。八ヶ岳ブルーと呼ばれる澄んだ青空も八ヶ岳を象徴する景色だ。登山者の中でも八ヶ岳に夢中になる人は多く、南八ヶ岳と北八ヶ岳でまったく異なる一面を楽しめることも理由だろう。 
iougake
主峰の赤岳を有する南八ヶ岳は、荒々しい岩稜帯が続き、ワイルドな登山を楽しめる山域だ。硫黄岳を訪れた時は、大迫力の爆裂火口を間近に見て自然の驚異を改めて思い知った。スリリングな山歩きを楽しめるのが南八ヶ岳である。
 白駒池
一方、今回歩いた北八ヶ岳は、まるでもののけ姫の世界のような苔と針葉樹の森が広がり、ゆったりとした山歩きを楽しめる。まさに「神秘的」という言葉が似合う山域だ。本格的な登山をしない人でも自然散策を楽しめるのが北八ヶ岳なのである。
 
白駒池と森を一望できる「ニュウ」
moss images
八ヶ岳は何度か訪れているが、雨に見舞われることが多い。今回の山行もあいにくの雨予報。「ニュウ」からの眺望を楽しみにしていたが、この天気では期待できそうにない。ならば、雨ならではの景色を楽しもうと美しい苔を楽しみに登り始める。
forest image
いつもはテント泊登山が多いのだが、せっかく魅力的な山小屋が多い北八ヶ岳に行くのだからと今回は久しぶりに小屋に宿泊することにした。
テント泊の相棒であるオスプレーのザックに代わって、今回はボンフェスのダイニーマパックを背負って歩く。いつものどっしりとした重量感のある背負い心地とは異なり、なんとも軽やかな背負い心地で忘れ物がないか不安になるくらいだ。「荷物が軽いだけでこんなにも楽なのか」と思うほど今日は足取りが軽い。
New
急登を登り終えるといよいよニュウに到着だ。「にゅう」「ニュウ」「にう」と道中の標識でもさまざまな表記があり、好奇心を掻き立てる。ガスがかかっていたため眺望はあまり期待していなかったが、登頂したタイミングでちょうどガスが晴れた。ニュウからは、先程までいた白駒池や遠くまで広がる針葉樹の森を望めた。「これぞ北八ヶ岳」といった風景だ。
Mt,fuji
以前、霧ヶ峰から見たような美しい富士山を「ニュウ」から望むのを楽しみにしていたが、今回は残念ながらその姿を見ることはできなかった。向かい合っている富士山と八ヶ岳には、その昔、背くらべをしたという伝説がある。神様が富士山と八ヶ岳の山頂に樋を渡して中央から水を流したところ、その水は富士山の方へ流れ、八ヶ岳の方が背が高いことが証明されたという。しかし、悔しがった富士山は怒りに任せて八ヶ岳の頭を叩いたというのだ。その結果、八ヶ岳は現在の姿になったとされる。日本が世界に誇る気高き富士山の器がそんなに小さかったのかと思うと少し複雑な心境だが、富士山のおかげで今の奥深い八ヶ岳を楽しめていると思って感謝しよう。
 
ランプとの宿「高見石小屋」
山小屋
八ヶ岳は個性溢れる山小屋が多い。山小屋巡りも八ヶ岳の楽しみ方のひとつだ。今回の山旅も、ランプと星の宿として人気の高見石小屋が目的だった。レトロな小屋の中は、ランプの暖かいオレンジ色の灯がノスタルジックな雰囲気を醸し出している。山小屋で時間を忘れてゆったりと本を読む時間はなんとも贅沢だ。
fried bread
また、この小屋は料理がおいしいことでも評判だ。中でも名物の揚げパン目当てに訪れる登山客は多い。私もギリギリ営業時間内に到着でき、揚げパンと苺ソーダを注文した。疲れた体に程よい甘さと炭酸が染みる。
sunrise
あいにくの天気で残念ながら夕日や星空こそ望めなかったが、小屋のすぐそばにある高見石からは、ガスに包まれる中、幻想的な朝焼けの世界を体感できた。ガスが晴れてくると美しい雲海とこれから下山する白駒池を眼下に望むことができ、今回の旅の締めくくりとなった。
 
文章:レベッカ
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